Gold nanoparticles

金ナノ粒子

古くて新しい素材:金ナノ粒子

金や銀の貴金属は魅力的な美しい輝きで楽しませてくれます。

金属の金は「金色」ですが、光の波長よりも小さな微粒子の状態ではステンドグラスのように美しい発色を見せてくれます。

金ナノ粒子は古くからの色材としての活用に加え、最新の研究では触媒、太陽電池、バイオセンサー、ナノメディシン、光学迷彩と幅広い用途が期待されています。

21世紀の光技術:局在プラズモン:金に光があたると、光は電磁波なので金のなかの荷電粒子である自由電子には周期的に変動する電場がかかります。

そこで電場のなかの電荷は運動します。電場の周期的な変動によって電子の運動は振動となります。これは表面プラズモンと呼ばれる、金の自由電子の集団振動です。

金属の性質や周辺の誘電率によっては光の電場振動と電子の振動が共鳴します。そうすると光は金属に侵入し吸収されます。

また光の電場振動と電子の振動が逆の電場を生じるときには、光電場が遮断されるので光は侵入できずに反射されます。このように波長によって光と金属の相互作用が変わります。

金や銅では金属に吸収される波長が可視領域にあるために、金や銅の美しい金属光沢を私達は楽しむことができます。

この効果は、光の波長よりも小さな金ナノ粒子でさらに劇的です。

ナノ粒子に局在化した表面プラズモン(局在プラズモン)には、特有の波長において電子の動きが最大となる共鳴が起き、光と強く相互作用します。

これを局在プラズモン共鳴と呼びます。

このときあたかも金ナノ粒子と重なる粒子のように電子が集団振動します。集団振動する電子はまた電磁場に影響を与えるので、局在プラズモンはナノ粒子に局在化する一種の光とも考えられます。